抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年都市部で頻発している道路陥没は,多くの場合老朽埋設管の破損部等から土砂が流出することに起因し,社会的損失が大きいにもかかわらず,対症療法的な対策が中心となっているのが現状である。陥没にははっきりした原因が特定できない場合も多いが,現象の解明よりも復旧が急がれるという実務上の要請もあり,陥没を引き起こすような地盤内空洞・ゆるみの生成・進展のメカニズムには不明な点が多い。路面下の地表近傍で顕著な空洞が存在するような陥没寸前の状態においては,地中レーダー探査技術により比較的高い確度で探知可能であるが,空洞が深層部にある場合,空洞・ゆるみの境界が不明瞭な場合,輻輳した地下埋設物と空洞・ゆるみ部が渾然としている場合などは,探知技術の限界により問題箇所の検出が困難な場合が多い。本研究では,地盤陥没を未然に防止するための探査手法を高精度化するために,地盤内空洞・ゆるみの形成過程を明らかにし空洞・ゆるみのパターンを類型化すること,さらに陥没に至る“危険な”空洞・ゆるみを抽出することを目指している。小型及び中型土槽を使用し,底面の開口部から土砂を流出させ模型地盤内に空洞・ゆるみを作製し,そのメカニズムを調べた。また,大型ピット内地盤の模擬空洞・ゆるみの探査実験を行い,空洞周りのゆるみに着目した探査の可能性を検討した。(著者抄録)