抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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防災体制のひとつとして最近注目されている確率論的予測,リスク評価の手法を取り入れた火山防災体制に関して,標題の噴火インベントリー及び火山災害リスク評価につき事例を併せて紹介した。内容は,1)日本の火山噴火の活動規模と頻度,2)噴火インベントリーと噴火シナリオ,3)火山災害リスク評価,4)那須火山での火山防災検討の事例研究などである。1)では,わが国の気象庁によって指定されている108の活火山について1000年の噴火活動を気象庁,スミソニアンGVPなどの資料を使用して噴火発生年と活動規模に基づき火山爆発指数(VEI)を推定して集計した結果を示した。2)では,対象とする火山で発生の可能性が高い噴火様式や規模を想定して,時系列的に予想される火山現象(イベント)を抽出して系統樹(ツリー)構造で示すことを説明した。また,発生確率を数値や確率ランクで見積り確率系統図を作成することを説明した。このようにして作成された噴火インベントリーを検討し,可能性の高い推移,典型的な活動推移を時系列的に抽出して噴火シナリオを作成して,防災対策などを付記する方法を示した。3)では,リスク評価の基本的な考え方を示し,火山活動に伴う災害リスク評価の方法を説明した。4)では,那須火山(茶臼岳)の災害リスク評価結果を検討し,火山危険度マップを示した。最後に,これらのリスク評価の結果としてリアルタイムハザード作成システムの導入も可能になることを示した。