抄録/ポイント：
抄録/ポイント
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札幌市消防局では特別機動査察隊が発足してから3年目を迎えたので,当局の取組及び違反処理事例を紹介した。はじめに札幌市の状況を紹介し,次いで査察執行体制の転換点として1年余りの検討結果から平成20年4月に導入した新体制を紹介した。新たな査察執行体制では,1)違反対象物に特化した査察の実施,2)違反内容に応じた危険度のランク付け(違反トリアージ),3)警告・命令への移行基準の明示,4)違反是正を補完する消防部隊の優良対象物への関心など量から質への転換を目指した特徴を説明した。この矢先に「ススキノ地区の特殊浴場火災」が発生し3名の死者が発生し,この4.28火災を契機として特別機動査察隊が発足した経過を示した。この特別機動査察隊の構成,運用組織,活動内容などを紹介した。また,組織的な違反是正能力の向上を図るために研修体系を構築して人材育成を図っていることを示した。これらの活動によりススキノ地区の劇的な変化が図られ,また,関係機関(警察,保険所,建築指導部,区役所など)との現場連携の状況を示した。併せて,法務サポートとして弁護士委託により法務相談体制を確立していることを示した。今後の対応として,違反是正は人命救助であり市民・観光客の安全・安心の確保であることを自覚して法令遵守の徹底を図る考え方を示した。
