抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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細胞が培養基体に接着する細胞培養においては,細胞を基体から剥がして収集する際の細胞損傷が問題となる。本研究では,アルギン酸鉄フィルムでコートした培養基体上で培養した細胞をあまり損傷を与えることなく収集する新方法を開発した。アルギン酸鉄がクエン酸塩などのキレート剤によって生理条件下で容易に溶解する性質を利用するもので,細胞培養後,クエン酸ナトリウム溶液を添加してアルギン酸鉄フィルムを溶解させて培養細胞を収集する方法である。この方法によって収集したHeLa細胞と,従来のトリプシン処理または物理的剥ぎ取りによって収集したHeLa細胞の損傷程度を比較検討した。その結果,アルギン酸鉄基体を溶解させることによって収集した細胞は,高生存率・高代謝活性,高収集率,低-膜損傷,高-酸化ストレス耐性を示し,更に,凍結保存後にも高生存率・高代謝活性,および高収集率は維持されていた。これらの結果から,Fe-アルギン酸培養基体の溶解を基盤とする培養細胞の収集法は,効率的で便利な方法であることが示された。