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J-GLOBAL ID:201002244253011288   整理番号:10A0309481

富士山亜高山帯林の更新動態における腐食倒木の役割

The role of decaying log microsites in the regeneration dynamics of a subalpine forest on Mt. Fuji
著者 (3件):
資料名:
巻: 22  ページ: 1-13 (WEB ONLY)  発行年: 2009年12月15日 
JST資料番号: U0135A  ISSN: 1883-1982  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 英語 (EN)
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富士山亜高山帯の針葉樹優占林(樹林地)ならびに風害により林冠が破壊された立地(風倒地)において,地表面に分布する倒木の量的・質的構成を定量化するとともに,倒木と樹木分布の関連性を明らかにした。樹林地では,材が腐朽し,表面が蘚苔類群落で覆われた倒木が多く記録された。風倒地には,材が腐朽していても,表面が蘚苔類群落で覆われていない倒木が多く記録された。樹林地に出現した7種の樹木のうち,カラマツを除く針葉樹3種とナナカマドの分布密度は,個体サイズに関わらず倒木上で地表面より高かった。これら樹木の個体数は個体サイズが大きいほど倒木上で少なく,地表面に分布する個体の比率が高かった。倒木は樹木生存の場として有効ではあるが,それほど林冠更新には結びついていなかった。風倒地には樹高200cm以下の樹木のみが出現した。カラマツを除く針葉樹3種の分布密度は倒木上で地表面より高かった。ただし,立地間の分布密度の差は樹林地に比べ小さかった。落葉樹の分布密度は地表面で倒木上より高かった。樹木個体数は針葉樹でも落葉樹でも倒木上より地表面で多かった。風倒地だけで記録された落葉樹2種は倒木上にほとんど出現しなかった。風倒地において倒木の樹木生存の場としての有効性は低下していた。倒木の量的・質的構成を立地間で比較検討した結果,風倒地で倒木上の蘚苔類群落が衰退したことが明らかとなった。このことに着目して,倒木が林冠更新に大きく寄与しない理由を検討した。そして,林冠破壊後に生じる蘚苔類群落の衰退により,倒木上に生育する個体が排除されるためと推察した。さらに,倒木上で更新した落葉樹が概して少ない理由を検討した。そして,蘚苔類群落の衰退により質的に変化した倒木が,林冠破壊後に侵入を開始する落葉樹の定着を妨げるためと推察した。当地域において,倒木は定着した樹木の林冠到達を保証する立地ではないが,樹林内において樹木稚樹の個体群を拡大・維持する働き,さらに林冠破壊後に陽樹性の強い樹木の侵入を妨げる働きをもつと考えられた。これらは耐陰性をもった針葉樹が優占林分を形成することに寄与すると結論した。(著者抄録)
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分類 (2件):
分類
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森林植物学  ,  森林の天然更新 
引用文献 (48件):
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