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J-GLOBAL ID:201002246311739974   整理番号:10A0853159

マイクロRNA-132によるp120RasGAP減少は内皮細胞を活性化し病的血管形成を促進する

MicroRNA-132-mediated loss of p120RasGAP activates the endothelium to facilitate pathological angiogenesis
著者 (13件):
資料名:
巻: 16  号:ページ: 909-914  発行年: 2010年08月 
JST資料番号: W0636A  ISSN: 1078-8956  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: アメリカ合衆国 (USA)  言語: 英語 (EN)
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腫瘍が血管形成の開始スイッチをいれることはよく知られているが,この過程の分子的基盤は十分に解明されていない。今回我々はマイクロRNAであるmiR-132が内皮細胞内のp120RasGAPを標的とする血管形成スイッチとして働き,血管新生を誘発することを示す。我々は,血管形成のヒト胚性幹細胞モデルで,miR-132の発現が大幅に上昇していることを突き止め,miR-132はヒト腫瘍の内皮細胞や血管腫では強く発現されているものの正常の内皮細胞では検出されないことを見いだした。in vitroで内皮細胞にmiR-132を異所性発現させると,内皮細胞の増殖と管腔形成能が増大したが,マウスで眼球内にmiR-132合成阻害剤のanti-miR-132を注射すると,生後の網膜血管発達が低下した。miR-132の標的候補の中でもっとも可能性の高いものはp120RasGAPだが,これは正常内皮細胞では発現しているが,腫瘍血管内皮細胞では発現していなかった。miR-132を内皮細胞に発現させるとp120RasGAP発現が抑制され,Ras活性が上昇したが,マイクロRNA抵抗性のp120RasGAPはmiR-132による血管形成応答を解消した。anti-miR-132の投与は野生型マウスの血管形成を阻害したが,Rasa1(p120RasGAPをコードする)の誘導型欠失が起こるマウスでは阻害がみられなかったことは注目すべきである。また,anti-miR-132を血管を標的とするナノ粒子により送達すると,腫瘍内皮細胞のp120RasGAP発現が回復し,血管形成が抑制され,ヒト乳がんの同所性異種移植マウスモデルの腫瘍負荷が軽減された。我々はmiR-132が内皮細胞のp120RasGAP発現の抑制により血管形成開始スイッチとして働き,Ras活性化と血管新生を誘導するが,anti-miR-132の投与は血管を休止状態に維持して血管新生を妨げると考える。Copyright Nature Publishing Group 2010
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分類 (2件):
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JSTが定めた文献の分類名称とコードです
循環系の基礎医学  ,  生物学的機能 

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