抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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マメ科ヌスビトハギ連Eleiotisは,E.sororia(L.)DC.とE.rottleri Wight&Arn.の2種のみからなる。E.rottleriはインド(カルナータカ州,マハーラーシュトラ州),スリランカおよびミャンマーに分布することが知られているが,E.sororiaは,これまでインドのアーンドラ・プラデーシュ,ビハール,ゴア,グジャラート,カルナータカ,ケーララ,マディヤ・プラデーシュ,マハーラーシュトラ,オリッサ,ポンディシェリー,ラージャスターン,タミル・ナードゥ,ウッタル・プラデーシュの各州,およびスリランカに分布することが知られていた。今回,ミャンマー中・西部でE.sororiaの生育が確認されたことから,本種の分布域の東限はインドからミャンマーに拡張された。また,本種の学名に関して従来混乱があったので,これらを再検討し,整理した。さらに,Eleiotis sororiaのタイプが未指定であったため,基礎異名Hedysarum sororium L.にさかのぼりレクトタイプを指定した。本種は側小葉の有無に同一個体内で変異のあることが知られていたが,ミャンマー産のものでも同様の変異が確認された。また,花は爆裂花であることが判明し,rbcLに基づいてヌスビトハギ連内に識別されたDesmodiumグループに帰属する属と共通の特徴をもつことが示唆された。その他,竜骨弁に突起が生じること,花序,がく,果実に鈎毛の他に基部が丸く膨らむ多細胞の腺毛が目立つことなどの特徴を有していることがわかった。さらに,果実は1小節果で1種子のみをつけるが,小節果の両端に折れやすい節が発達することがわかった。果皮全体にわたり内表皮のすぐ内側に厚壁組織が形成されるが,どちらの節も節周辺で厚壁組織層が厚くなるものの,節部では部分的に厚壁組織が発達せず柔組織のままとなるため構造的に弱く折れやすくなる。(著者抄録)