抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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師部が植物体内で糖類,植物ホルモンおよびアミノ酸の長距離輸送を助けることは,古くから知られている。この10年間に,メッセンジャーRNA(mRNA)と低分子干渉RNA(siRNA)/マイクロRNA(miRNA)が同じようなソース-シンク経路を使っていることがわかった。これらのRNA巨大分子は,原形質連絡を通じて選択的に伴細胞から細胞核を欠いた師管へと運ばれると考えられている。これらの師部によって運ばれたRNAは,分化や環境条件に対する適応を制御する機能を持つことが示された。例えば,葉中で作られた師部によって運ばれたFLOWERING LOCUS T(FT)遺伝子の転写産物は,茎頂における花芽分化プログラムに使われる。しかし,FTmRNAと蛋白質のどちらが,もしくは両方ともシグナルとして働くのかは,まだ解明されていない。師部の中の詳細な研究の重要性を重視し,最近の研究では師管液に機能性mRNAの主要成分が含まれていることが明らかになった。本ショートレビューでは,師部によって運ばれたRNA分子の機能,師部を介したmRNA情報伝達機能を解析することの利点と難点,および機能的な師部をベースにしたmRNA翻訳機構の可能性について論じた。Copyright 2010 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.