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J-GLOBAL ID:201002249388350688   整理番号:10A0838637

一般的なジベレリン前駆体ent-カウレンに由来する内生のジテルペンは蘚類Physcomitrella patens原糸体の分化を制御する

Endogeneous Diterpenes Derived from ent-Kaurene, a Common Gibberellin Precursor, Regulate Protonema Differentiation of the Moss Physcomitrella patens
著者 (15件):
資料名:
巻: 153  号:ページ: 1085-1097  発行年: 2010年07月 
JST資料番号: C0606A  ISSN: 0032-0889  CODEN: PLPHA  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: アメリカ合衆国 (USA)  言語: 英語 (EN)
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ジベレリン類(GAs)はent-カウレンからent-カウレン酸を経由して生合成されるジテルペン型の植物ホルモンである。GAsは種子植物に広範に存在している。GAシグナルはGIDI GA受容体/DELLA受容体経路によって受容,伝達される。ヒカゲノカズラ科Selaginella moellendorffiiはGAを生合成し,機能性のGIDI-DELLAシグナル伝達因子を持っているが,蘚類Physcomiterella patensでは,GAも機能的なGIDI-DELLAシグナル伝達因子のオルソログも見つかっていない。しかし,P.patensはGAの一般的な前駆体であるent-カウレンを合成し,機能的なent-カウレン合成酵素PpCPS/KSを持っている。本研究では,ent-カウレンを蓄積しないPpCPS/KS欠損変異体が作出され,P.patensにおけるent-カウレンの生物学的役割が明らかにされた。表現型解析から,突然変異体ではクロロネマ細胞からカウロネマ細胞への原糸体異常が見られることがわかった。ガスクロマトグラフィー質量分析により,P.patensがGA生合成経路におけるent-カウレンの代謝産物であるent-カウレン酸を合成することが示された。また,遺伝子破壊株の表現型異常はent-カウレンあるいはent-カウレン酸を導入することで相補されたことから,ent-カウレン酸か下流の代謝産物が原糸体の分化に関与していることが示唆された。GA生合成経路におけるent-カウレン酸化酵素の阻害剤であるウニコナゾールを処理すると,PpCPS/KS欠損変異体の表現型と似た症状が観察され,ent-カウレン酸処理により回復されることが分かった。被子植物ではGAとして活性のあるGA3やGA4は変異体の表現型を相補できなかったが,シダのアンセリディオージェン(造精器形成ホルモン)であるGA9メチルエステルは変異体の表現型を回復できることが示された。従って,蘚類P.patensはent-カウレンに由来するジテルペン代謝産物を内生の発生制御因子として利用していることが示唆され,陸上植物においてGAの機能がどのように進化して来たのかとい疑問に新たな知見が加えられた。
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分類 (1件):
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植物ホルモン 
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