抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
氷河湖決壊洪水(GLOF)による災害はブータンでも発生している.1998年と2002年に筆者を含むグループが氷河湖危険度調査を北西-北部ブータンで行った.その結果や過去の衛星画像の解析によると,ブータンのGLOFに関して最も危険とされるのはモレーンダム湖である.さまざまな氷河湖は,散らばった小氷河表面湖群 → 合体して巨大化した氷河表面湖 → 前面に氷体をもつモレーンダム湖 → モレーンのみのダム湖という発達段階のいずれかに位置づけられる.決壊洪水危険度査定のためには,定量的査定が試みられなければならない.危険な氷河として,ルナナ東部のトルトミ氷河湖,モンデチュウ西支流源頭部氷河湖群,クリチュウ上流のチベット側氷河湖が挙げられる.モニタリングのための衛星情報の提供,現地調査の援助,クリチュウ上流チベット側での調査・研究を進めるための中国側との交流が,さしあたって,実施されるべき日本からの貢献になろう.(著者抄録)