抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
アデノウイルスは細胞への侵入中エンドソーム膜を破壊する。膜溶解性カプシド蛋白質VI(pVI)は膜を断片化して侵入しやすくする。N末端の両親媒性αヘリックス(VI-Φ)はpVIと同様な膜親和性を有するが,VI-Φを欠く切断型蛋白質(VIΔ54)も中程度の膜親和性を有する。筆者らは膜へのニッケル-NTA脂質の取り込みによりVIΔ54の膜親和性および膜溶解性が促進されることを明らかにした。さらに,残基54-114内の3つの予想されるpVI αヘリックスは膜と会合し,膜表面とほぼ平行に座位することも示した。His標識したVIΔ54はpVIおよびVI-Φペプチドと同様に膜を断片化できる。興味深いことに,VI-ΦもHis標識したVIΔ54も巨大脂質小胞にpVIで見られるのと同様な細管形成を誘導できなかった。これらのデータより,VIΔ54の積極的な膜わん曲と細管形成誘導における両親媒性αヘリックスとVIΔ54の残基間の協調作用を示唆した。これらの結果はエンベロープを持たないウイルスの膜透過のメカニズムに関してさらに詳細を示している。Copyright 2010 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.