抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では免疫標識法を利用して分化中スギ早材仮道管におけるグルコマンナンの分布を調べた。グルコマンナン標識は,まず細胞コーナ部においてS1層の形成開始とともに見られるようになり,二次壁形成中には二次壁全域で不均一な蓄積パターンが見られた。特に,成熟仮道管ではS1層とS2層の境界部とS2層の細胞内腔側で多くの標識が見られた。アルカリ処理によりグルコマンナンのアセチル基を外すと,S2層の形成初期段階までは無処理と同じ蓄積パターンを示したが,その後標識数が多くなった。また,アルカリ処理と関係なく,前年輪の仮道管は当年輪仮道管に比べて二次壁の標識数が多かった。以上の結果は,S2層の初期段階まではアセチル基が少ないグルコマンナンが蓄積,その後はアセチル基が多いグルコマンナンが蓄積することが示唆された。また,成熟した後の仮道管でもグルコマンナンの脱アセチル化が続くことを示唆している。(著者抄録)