抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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家庭内で高速通信が可能なホームネットワークを実現する手段としてPLC(電力線通信)が最近普及しつつある。日本では,2006年から2M~30MHzのHF帯域を使用できるようになり,最大200Mbps程度の高速PLCが使用が可能になった。しかしHF帯を使用する無線システムとしては,既に航空,船舶,アマチュア無線や短波放送などの強い電渡を放射する無線通信機器が多数存在するため,高速PLCシステムはそれらのシステムから電波干渉を受ける可能性がある。そのため,HF帯の電波に対する高速PLCシステムのイミュニティ特性を把握することが重要である。一方,他の無線システムからの電波干渉を防ぐために,特定のサブキャリアを未使用にし,特定のOFDM信号帯域を減衰させる「ノッチ」を設けている。本論文では,高速PLCシステムのイミュニティ特性を把握することを目的として,狭帯域干渉波信号を印加した時の,Wavelet-OFDMを使う高速PLCモデムの干渉波イミュニティ特性を測定した。その結果,以下のことが明らかになった。 1)高速PLC信号の周波数帯域に干渉波を印加した時,C/I(キャリアの全電力/妨害波の電力)が20dB以上の範囲では,すべて印加周波数でPHY rate(物理層の伝送速度)の測定値はほとんど減少しなかった。しかしC/Iが約0dBになると,PHY rateは急速に減少し始めた。 2)C/Iが0dB~-20dBの時,狭帯域干渉波をノッチ帯域に印加したときのPHY rateの測定値は,非ノッチ帯域に印加した場合と比較して約10Mbps程度改善した。これらの点から,Wavelet OFDMシステムが優れた狭帯域干渉波イミュニティ特性を持つことが明らかになった。