抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
玉造温泉老舗旅館住翠苑皆美の消費エネルギーは,A重油,電気を合わせ,年間46,211GJ,CO
2排出量2,312tの規模であり,そこコストについても無視できない状況があった。社内のQCサークル活動(省エネチーム)を通じて省エネに取り組み,徹底的な意識改革に努めた結果,未利用時の消灯,トイレの節水などの真摯な取り組みが広がり,エネルギーコストが大幅(約10%)に削減された。しかし,その活動も限界に至ると,外部の力を借りることとし,島根県「省エネ診断制度」による省エネ診断を平成19年11月に受診した。島根県は,平成19年度から「ECOアドバイザー」と呼ぶ専門家を派遣し,無料で省エネ支援をする省エネ診断活動は,3年間で診断件数が67件にのぼり,幅広い支持を得ている。住翠苑皆美は1日の給湯量はかなり膨大なものとなり,エコキュートのみの運転では湯量不足が懸念されていたため,ボイラとエコキュートを組み合わせた「ハイブリッドシステム」を採用することになった。具体的には,給湯需要をヒートポンプ(HP)と温水ボイラで行う。HPの稼働率を100%とし,貯湯槽の残り具合を勘案しながらボイラを稼働させる。夜間のHPをフル稼働させることと,無駄なお湯を如何に作らないかが省エネのポイントとなる。また放熱ロスの多い低効率蒸気ボイラを温水ボイラに更新し,老朽化が進んでいる空調機をトップランナー機に更新した。給湯方式の変更で電気の使用は大きくなったが,デマンド管理により最大電力の抑制を徹底している。1年間の運用実績は,CO
2排出削減量の当初目標(510t)に届かない470tであったが,目標エネルギー削減コストは年間1,100万円に対して1,200万円と上回り,ほぼ狙い通りの成果が得られた。