抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ヒトテロメラーゼの細胞内トラフィッキングには,多くの核部位間,特にCajal体とテロメア,の動的相互作用が関わっている。Cajal体は,ヒト細胞でテロメラーゼの成熟,貯蔵,組み立て部位としてだけでなく,テロメラーゼのテロメアへの細胞周期調節性の配送に働くと考えられている。本研究で,マウス細胞ではテロメラーゼRNAはCajal体に局在しておらず,細胞周期の大半を分離した核フォーカスに存在することが判明した。しかしヒトと同じように,マウステロメラーゼRNA(mTR)は,特にS期の間は,テロメアサブユニットに局在した。mTRは,野生型でもコイリンノックアウトマウスでも同じ頻度でテロメアに検出されるので,マウス細胞でのmTRのテロメアへの局在はコイリン含有Cajal体を必要としない。同時に,ヒトTRがマウス細胞でCajal体(テロメアだけでなく)に局在することが分かり,mTRの異なるトラフィッキングは(マウスCajal体の特性のようなマウス細胞の違いよりむしろ)RNAの固有の特性に帰着することを示している。さらにS期に間に,mTRフォーカスは短い鎖へ合体し,すくなくとも複合体mTRフォーカスの一つはテロメアと共局在することも分かった。これらの知見は,マウスでのテロメラーゼ生合成の新規なCajal体独立経路を示している。Copyright 2010 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.