抄録/ポイント:
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胃運動性に与えるドーパミンの阻害効果は,腸ニューロンドーパミンD
2受容体の刺激から生じる,アセチルコリン遊離の低下により仲介されると考えられている。この研究は,選択的ドーパミンD
3受容体アゴニストまたはドーパミンD
3受容体アンタゴニストを用い,ラットの胃運動性調節におけるドーパミンD
3受容体の関与の可能性を検討することを目的にした。胃内容排出は,ラットを異なる用量のドーパミンD
3受容体アゴニストまたはドーパミンD
3受容体アンタゴニストで処理した後にフェノールレッド法を用い測定した。選択的ドーパミンD
3受容体アゴニスト,S(+)-PD 128907 (0.01~1mg/kg, s.c.)は,用量に依存してラットで胃内容排出を遅延した。別のドーパミンD
3受容体アゴニスト(すなわちR(+)-7-OH-DPAT [0.03~1mg/kg,s.c.]とキンピロール[0.01~1mg/kg,s.c.])も,ラットで胃内容排出を遅延した。選択的ドーパミンD
1とD
5受容体アゴニスト,SKF-38393および選択的ドーパミンD
4アゴニスト,PD 168077の両方は,ラットで胃内容排出を遅延しなかった。選択的ドーパミンD
3受容体アンタゴニスト,(+)-S 14297 (10mg/kg,s.c.)は,胃内容排出のS(+)-PD 128907が誘導する遅延を部分的に抑制した。S(+)-PD 128907(1~100μg/kg)の第4脳室への投与は,ラットで部分的,用量に依存して胃内容排出を遅延したが,側脳室へのその投与は,胃内容排出に影響しなかった。ここに示した結果は,末梢ドーパミンD
2受容体と少なくとも一部は,ドーパミンD
3受容体および中枢ドーパミンD
2/D
3受容体が,ラットの胃運動性の調節に重要な役割をすることを示す。Copyright 2010 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.