抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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前章でグリーンの定理から導いたヘルムホルツ・キルヒホッフの積分定理を,より実際的なモデルに適用して,回折の具体的な表式を導いた。それぞれ例として点光源,レーザーを発した単色光を考えた。この光が,開口を通過した後,開口から離れた点P(x
P,y
P,z
P)に生成する場を求めることを課題とした。上表式を適用する領域として,面Σで囲まれた領域を考えた。積分領域ΣをA,B,Cの3つの領域に分けた。領域Aは開口部,領域Bはスクリーンの裏面,領域Cは半径Rの球面である。領域A,Bにおいて,場φと場の勾配∂φ/∂nに対してキルヒホッフの境界条件を課した。また,領域Cにおいては,ゾンマーフェルトの放射条件を仮定した。点Sにある点光源から発した球面波を考えて表面積分を遂行して,フレネル・キルヒホッフの回折公式を得た。またこの回折公式からヘルムホルツの相反定理が成り立つことも示した。なお,(余談)の欄において,著者らは場の値とその勾配の両者が波の源となる状況は弦の振動と類似しており,境界条件から解が定まる機構を理解するための参考になるのではないかと考えて,弦の振動についても解説した。