抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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不完全変態昆虫における変態は主に幼虫組織の破壊を基本としている。完全変態のモデルであるDrosophila melanogasterを中心とした研究から,変態時にステロイドホルモンである20-ヒドロキシエクジソン(20E)が幼虫組織の細胞死シグナルを送ることが示された。しかし,D.melanogasterの発生は高度に派生しているため,そのアポトーシス調節メカニズムは昆虫類文脈を代表するものではない。不運にも,より基本的な不完全変態種が細胞死制御メカニズムを備えているかに答える機能的研究はこれまで行われてこなかった。これに答えるため,著者等は成虫脱皮直後の時期特異的退化を経た,ゴキブリBlattella germanicaの前胸腺アポトーシスを解析した。本論文において著者等は最初にB.germanicaが2つのアポトーシス阻害剤(IAP)を持ち,その一つであるBgIAP1が前胸腺などの組織生存能を保証するため,若虫発生時にも続けて必要とされることを示した。更に著者等は前胸腺退化は,若虫-成虫の移行時において死誘導因子であるFushi tarazu因子1(BgFTZ-F1)の強い活性化に収束する,20E誘発性の核受容体複合的階層により制御されることを証明した。また最後に著者等は前胸腺退化が幼若ホルモン(JH)の存在により効果的に阻害されること示した。変態過程に細胞死を関連付け,不完全変態昆虫のアポトーシス分子制御メカニズムを特性化することで,如何にして変態が比較的少ない昆虫種からより多くのものへと進化したかが解明できるとした。Copyright 2010 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.