抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿は第23回寒地土木研究所講演会における標題講演の記録である。新規ダム建設が減少する中,既設ダムの有効活用が重要視されている。本稿では,既設ダムの有効活用技術の分類および事例紹介とダム再開発技術に関する研究を紹介した。まず,既設ダム再開発の機能には,機能の向上および,機能の長期化,ダム機能の回復がある。機能向上の機能分類として,貯水容量の拡大,有効活用,放流能力の向上,目的の拡大がある。機能長期化の分類には,平衡堆砂,超過洪水対策,耐久性の向上,管理の省力化・合理化がある。機能の回復の分類には,貯水容量の回復,上下流の連続生の回復,貯水池およびその周辺環境の回復がある。機能向上の有効活用の事例として,複数既設ダムをダム群ととらえ,水系におけるダムの特徴(容量が多い,流量が多いなど)に基づき,ダム間の管路連結などの事業により最適な機能発揮させる事が重要であることを述べ,鬼怒川水系の事業を紹介した。再開発に際して重要な要素である土砂管理技術には,取る技術,運ぶ技術,流す技術の3つの要素がある。それらの管理技術の施工場所,具体策,日本での施工ダムを体系的に整理して報告した。ダム再開発事業の事例として容量配分の見直しを行った長安口ダム,放流設備を新設して治水能力を高める鶴田ダムなどの事例を紹介した。次に,寒地土木研究所の研究課題である再開発事業ダムの嵩上げ技術とダムの堤体に穴を開けて放流管を増設する技術について事例を述べた。また解析結果として,既設のダムに大きな穴をあける際,補強鉄筋の効果がなくなったり,施工する場所以外の箇所に損傷が現れる可能性があるなど,事前解析評価が重要であると報告した。