抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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雨水回収システムに金属及び非金属汚濁質が入り込むのは,集水面からの雨水により直接であったり,貯留システム,パイプや取出し口に溜まったゴミや土壌浸出水が原因だったりする。オーストラリア西海岸の10基の雨水回収システムを選んで,屋根の流下水,貯留システムと蛇口の水の試料を採取して,システム内での雨水の移動にともなう組成の変化を調べ,元素流入の原因となる可能性のある部位を特定した。それぞれの部位で,合計26種類の元素を測定した。タンク出口試料に比べて屋根流下水試料に有意に高い濃度(p<0.05)で存在したのは,鉄だけであった。一つの事例研究地点の結果は,回収雨水の汚濁質負荷の原因が配管と蛇口の材質にあることを示唆した。雨水回収システムから銅配管と温水貯蔵システムを通じて供給されている温水蛇口試料では,銅の濃度が高かった(p<0.05)。同様に,亜鉛,鉛,ヒ素,ストロンチウム及びモリブデンが,対応する屋根流下水に比べて,家庭用には給水していないポリ塩化ビニル管の部位で採取した試料で有意に高かった(p<0.05)。調査した地点のうち一つでは,タンク出口と屋内常温蛇口の間でカリウム,亜鉛,マンガン,バリウム,銅,バナジウム,クロム及びヒ素など幾つかの元素が大きく変動しており,この二つの出口の間で元素組成が大きく異なることが見出された。これらの結果は,回収雨水の元素組成が研究地点及び試料採取部位によって異なることを浮き彫りにした。調査した地点では,大気降下は雨水の汚濁質負荷の主要原因ではない。それよりも,場所によって配管材料が全元素負荷の大きな原因となっていることが示された。Copyright 2010 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.