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J-GLOBAL ID:201002260060499602   整理番号:10A0141540

日本列島はなぜ生物多様性ホットスポットなのか

著者 (1件):
資料名:
巻: 61  号:ページ: 117-125  発行年: 2010年02月01日 
JST資料番号: G0183A  ISSN: 0045-2033  CODEN: SBTKA  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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Conservation Internationalは,生物多様性が高いにもかかわらず破壊の危機に瀕していて緊急かつ戦略的に保全すべき地域として世界34ケ所の「生物多様性ホットスポット」を見出した。日本列島でこれまで記載されている生物種数は,維管束植物で5629種(固有種率35%),哺乳類で91種(51%),鳥類で368種(4%),爬虫類で64種(44%),両生類で58種(76%),淡水魚で214種(24%)であり,約3800万haという狭い国土面積にもかかわらず豊かな生物相を有していることから,日本列島地域も生物多様性ホットスポットの一つとなっている。日本列島における生物多様性の危機の構造は3つに分けられ,第1に乱獲や生息地の破壊と悪化などを通じて直接的にもたらされる危機,第2に社会経済などの変化に伴って人間活動が縮小することによって引き起こされる危機,第3に人為的に生態系に持ち込まれた外来生物や化学物質などによる危機であり,加えて近年の地球温暖化の進行は深刻な問題となりつつある。日本列島に多様な生物が現在まで残っているのには,3つの要因が考えられる。第1に日本列島は水平的・垂直的な環境の広がりや,数千の島嶼からなり自然環境が多様で豊かである。第2に生物相が形成されるにあたって過去の気候変動と地形形成などの地史が豊かな生物多様性を涵養した。第3に日本列島は生物多様性を脅かす森林の大規模攪乱を古代と中世に経験しながらも,近世においては世界的に見て独自の森林管理を発展させたなど,近代以前の日本における人間-自然相互関係には生物資源を枯渇させないような伝統的な知恵があり,人間が自然を持続的かつ「賢明に」利用してきた。しかし,近年の森林利用のあり方は近代以前とは大きく異なり,これまで人間社会と森林生態系を持続させてきた人間-自然相互関係が大きく変化したと考えられる。生物資源を持続可能に利用するためには人間と自然の関係が重要であるということを議論してきた研究例はあるものの,これらは直感的記述であって生物多様性の危機への対処に必要な分野横断的な取り組みは十分に進展していない。このことは,3つの危機への対処を間違ったものにする可能性がある。...(著者抄録)
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分類 (1件):
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生物科学一般 
引用文献 (60件):
  • 阿部永 2005『動物地理の自然史--分布と多様性の進化学』 (編集: 増田隆一・阿部永), pp 1-12. 北海道大学図書刊行会.
  • 阿倍永 2008『日本の哺乳類 (改訂2版) 』 (自然環境研究センター編), 東海大学出版会, 206pp.
  • BaSkin, Y.1997 (藤倉良訳『生物多様性の意味--自然は生命をどう支えているのか』, 2001, ダイヤモンド社)
  • Begon, M. et al.1986 Ecology. Blackwell Science.
  • 千葉徳爾 1991『はげ山の研究 (増補改訂) 』, そしえて, 349PP.
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