抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本研究の対象地域である茨城県奥久慈地方の大子町における茶栽培では,慣行施肥区での深度100cmでの土壌溶液の窒素濃度が130 mg L
-1で推移すること,この地域と降水量・気温が類似する宇都宮大学附属農場で行われた幼茶樹のポット試験による慣行施肥区の化学肥料窒素の利用率は約28%で低かったこと,等の研究結果をもとに化学肥料の低減が必要と判断された.そこで本研究においても宇都宮大学附属農場内の幼茶樹のポット試験により,茶園における化学肥料の低減を目的に,堆肥および被覆尿素肥料の利用が一番茶にどのような影響を及ぼすかを調べた.堆肥施用量を変えて化学肥料窒素を施肥基準量に対して25%削減しても,全遊離アミノ酸含有量を有意に低下させることはなかった.このことから,適切な堆肥の施用によって,一番茶への負の影響を緩和できると推測した.3水準(標準施肥,25%減肥,50%減肥)の被覆肥料による低減試験においては,施肥基準区の全遊離アミノ酸含有量が最も多かったが,すべての施肥方式のなかで,25%減肥区と標準施肥区の生育量と全遊離アミノ酸含有量に有意差は認められなかった.また,秋肥に被覆肥料を用いることによって一番茶の全遊離アミノ酸含有量を増加させ,タンニン含有率を減少させる傾向が確認できた.したがって,化学肥料による環境負荷を低減するには被覆肥料による25%削減は可能で,かつ秋肥に被覆肥料を施用することによって一番茶の品質を向上させることができると判断された.(著者抄録)