抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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企業が持続的成長を実現するためには,事業モデルを創出し,新事業の実行と定着を図り,最終的に事業を安定化させ,効率化をめざすことが必要である。これらの各段階で,事業リスク管理に求められる内容は異なる。事業リスク管理を組織で円滑かつ効率的に行う上では,事業モデルの共有,マネジメント対象の特定とマネジメント移行の判断,マネジメントの引き継ぎといった課題が存在する。そこで,筆者らは事業モデルを可視化し,事業関係者,業務機能,経営資源の連関を表現するバリューチェーンアプローチにより,これらの課題を解決することを提案する。本アプローチでは,バリューチェーンの構造化技法にシステムダイナミクスを活用し,リスクの定量評価が可能な動的モデルを構築する。動的モデルの構築により事業構造を集合知化し,事業環境の変動をシミュレートすることで,その影響波及を定量的に把握できる。ロジスティクス,事業管理に必要な情報の伝達,資金等の流れを動的に表現し,事業計画にもとづくシミュレーションや,実績にもとづく計画の修正・運用管理を実現することで,事業リスク管理を支援する。本稿では,これらを具体的に,価格決定戦略の評価,事業収益の評価,事業継続計画の策定での事業影響評価へ適用した概要を紹介する。(著者抄録)