抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と子宮頚癌発現との関連は30年前に報告されており,現在では,HPVの一部のサブタイプがその原因因子であるという確かな証拠が得られている。p53と網膜芽細胞腫蛋白質はHPV E6およびE7癌蛋白質の標的であるが,最近の研究から,この外にも形質転換に重要な経路があることが明らかになってきた。これらの付加的因子は細胞周期進行,テロメア維持,アポトーシスおよび染色体安定性の重大な制御因子である。これらの活性に対するHPV癌蛋白質の作用を理解することが癌遺伝子の基礎メカニズムを理解する上での手掛りとなると考えられている。これらの状況を踏まえ,1)増殖性ウイルスHPVのライフサイクル,2)HPV感染から腫瘍発生まで,3)HPV E6およびE7の形質転換能力,4)HPVの増殖能力維持機構(1.Rb遺伝子の分解とE2F依存性促進因子,2.サイクリンとサイクリン依存性キナーゼ阻害因子調節,3.p53遺伝子の分解による増殖停止の抑止,4.テロメラーゼの活性化による不死化),5)ゲノム不安定性(中心体異常,DNA損傷),6)HPVとアポトーシス(1.アノイキス抑制,2.増殖抑制サイトカインに対する抵抗,インターフェロンの抗ウイルス反応破壊),7)HPV E5の協同形質転換活性について概説した。