抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
銀河間物質(IGM)中のダスト光電加熱を検証した。Weingartner他(2006)による新たなX線光電収量モデル及びMathis他(1977)による銀河系のダストの粒度分布を仮定すれば,IGMの典型的な放射場における加熱率は,Γ
pe=1.2×10
-34erg s
-1cm
-3(D/10
-4)(n
H/10
-5cm
-3)
4/3(J
L/10
-21erg s
-1cm
-2Hz
-1sr
-1)
2/3(T/10
4K)
-1/6により表される。ここでDはガスに対するダストの質量比,n
Hは水素数密度,J
Lは背景放射の水素ライマンリミットでの平均強度,Tはガス温度である。この加熱率はWeingartnerとDraine(2001)による古い収量モデルでの値の1/2~1/4であるが,銀河系内の値の1%であるD=10
-4を仮定すると,水素数密度が~10
-6cm
-3より小さい場合は,この加熱率はHI及びHeII光イオン化加熱率に優越する。粒度分布は非常に重要である。IGMに大きい(≧0.1μm)粒子だけが存在する場合には,加熱率は約1/5に減少する。ダスト加熱は光イオン化加熱に比較してより低密度の媒体中でより効果的であるため,Bolton他(2008)が提唱したように,低密度IGM中では逆転した温度-密度関係を引き起こす可能性がある。最後に,宇宙再電離以前には平均的なIGMにおいてダスト加熱があまり重要でないことを見出した。(翻訳著者抄録)