抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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分子が溶液中で磁場配向すると残余双極子相互作用(RDC)と呼ばれる現象が誘起される。RDCをNMRで測定し,解析すると他の方法では得られない有用な分子の構造に関する情報が得られる。従来,このRDC解析は生体分子の構造情報を得ることに利用されてきたが,溶液中に溶けている小さな分子では速く回転しているため強い磁場の中でも配向させることは困難で,RDCを測定することはできなかった。そこで,ホスト分子を作り,そのホスト分子が磁場配向性を示せば,ホスト内に包接されたゲストの小分子も共に磁場配向し,RDC測定が可能になると考え,π共役系部位を並列に積層した3次元の立体構造から成るホストを自己組織化によって作成し,その立体構造の内部にRDCを示さないピレンを包接したところ,磁場内で配向し,NMRによって初めてRDCの測定に成功した。磁場配向性のホスト内に有機小分子をゲストとして包接し,磁場内で誘起するRDCを測定するという方法は,今後,様々な有機小分子の立体構造解析に利用が期待される。