抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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通常(セイヨウナシ及びリンゴ)及び非一般的(アンズ,モモ,イチゴ及びキーウィフルーツ)宿主における病原菌の侵襲性,増殖及びパツリン蓄積を評価するために,P.expansumの4単離菌を用いてin vivo及びin vitro実験を実施した。単離菌の75%は試験した全宿主において増殖能を示した。特に,C 28及びI 1は各々最大及び最小の侵襲性単離株であった。Candongaイチゴ及びPinkcotアンズは,最大の損傷部位直径を示し,次いでConferenceセイヨウナシ,Springモモ及びAbate Fetelセイヨウナシが続いた。Candongaイチゴを除いて,果実ピューレ寒天培地(PAM)上のP.expansum単離株のコロニー形成及び菌糸増殖は,標準増殖培地(麦芽エキス寒天)に比較して促進された。このアッセイにおける最侵襲性の2株(I 12及びC 28)は,in vivo及びin vitroでパツリンの最大蓄積を示したが,最小侵襲性単離株(I 1)は2~3の増殖培地のみでパツリンを生産した。果実PAMのパツリン濃度は感染果実組織で検出されたパツリンよりも高かった。リンゴPAMはパツリンのin vitro蓄積に適した基質であり,単離株E 11を接種したピンクレディリンゴはin vivoアッセイにおいて全体でパツリンの最大蓄積を示した(33.9μg/ml)。しかしながら,cvゴールデン・デリシャスの感染組織はcvピンクレディのそれ(19.1μg/ml)よりも低い平均パツリン蓄積(1.7μg/ml)を示し,ゴールデン・デリシャスリンゴと試験したセイヨウナシ,キーウィフルーツ及びイチゴのcvの間でパツリン濃度の顕著な相違を見い出さなかった。モモはパツリン蓄積に高度に影響を受けやすく,平均濃度はin vivo及びin vitroで各々27.4及び18.6μg/mlを示した。アンズはin vitro(20.1μg/mlの平均値)及びin vivo(9.4μg/mlの平均値)でパツリン蓄積に一貫して陽性であった。この研究により,P.expansumによるパツリン生産を支援する一部の共通宿主(特に,モモ及びアンズ)の潜在力を示し,パツリン蓄積の規則的モニタリングをリンゴ及びセイヨウナシよりも別の基質において実施する必要性を示した。(翻訳著者抄録)