抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
X線自由電子レーザー計画(XFEL/SPring-8)を目指して開発した一体型クライストロン・モジュレータ電源の開発成功から量産までの物語。8GeVのXFEL/SPring-8が国家基幹技術として予算がつき2010年完成の5ケ年計画で進行中である。電子リニアックの構成要素の中で,パルスクライストロン電源(モジュレータ電源)が運転障害になることが多い。72台のモジュレータを使用するXFELでは,高い安定性と取扱の容易さが要求される。目指したものが,クライストロンとモジュレータを繋ぐ高圧ケーブルの不要な,クライストロンソケットとモジュレータを一つの油槽に収める一体型クライストロン・モジュレータ電源である。本稿は,十数年来筆者が暖めていたアイデアを,導波管のクライストロンへのスムーズな接続を可能にした床研削装置(ゆかとけんさく)の開発を突破口として実現していった開発記録である。概念設計と,電気絶縁油・密封方法,筐体の構造・製作方法,冷却方式など機械設計を詳しく述べ,電気回路の主要部品としてサイラトロン,PFN回路,パルストランス,コネクタボックスの詳細を示す。さらにノイズ対策としてファラデーケージ,ペア線用の同軸ノイズフィルタについても記述。最後に遭遇したトラブル,改善解決した事項も丁寧に紹介している。現在までに40台近くが搬入・設置されている。