抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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正面顔画像を用いた見え方に基づく顔画像の照合と認識において,顔の見かけを濃度こう配特徴により表現する手法を提案し,その有効性を検証した。まず照合処理では入力画像中の人物が,事前に登録された部内者,登録されていない部外者のいずれに属するかを決定する2クラス分類を行う。次に,認識処理として照合処理により部内者に分類された人物について,事前に登録された人物のうちどの人物であるかを特定する。この処理を認識と呼ぶ。顔画像から濃淡特徴と濃度こう配特徴のうちいずれかの特徴量を抽出し,それぞれを用いた場合の照合,認識性能を比較した。実験では,(1)表情変化の顔画像,(2)光源変化の顔画像,(3)経年変化の顔画像の3条件下で撮影された顔画像を用いて評価実験を行った。その結果,照合,認識ともに3条件全てにおいて濃淡特徴を用いた場合よりも濃度こう配特徴を用いた場合の方が性能が高くなった。照合における全体のEqual Error Rateは,濃淡特徴の27.88%に対し,濃度こう配特徴では15.93%まで低下した。認識における全体の認識エラー率は,濃淡特徴の8.99%に対し,濃度こう配特徴では5.22%まで低下した。濃度こう配特徴を用いた方が高い性能を示した理由は,顔画像を小領域に分割し,各小領域内で特徴を抽出しているため,画像中の顔の位置ずれや表情変化などによる目,口などの顔部品の形状変化を吸収できること,局所的な濃度値の変化量を特徴としているため,大域的な光源の変化に対する特徴量の変動が小さいことが考えられる。(著者抄録)