抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現代の住宅設計に活かして施工して再検証するため,伝統的な民家の調湿特性を実測し,そこでの素材と類似する現代の素材とを短・長期に渡って実験し,比較検証した。実測する伝統的民家として,文化3(1806)年建造の群馬県六合村にある土蔵造り民家「湯本家」を選び,温熱実測と調湿実験を行い,以下の知見を得た。1)機械に頼らずに室内環境が維持される伝統的な素材は,乾湿球温度の測定から,夏は室内水蒸気が建物の構成材に吸湿されている状況が確認された。2)木・土・紙・畳といった素材は,空気中の相対湿度が上がると素材の含水率が上がる調湿特性を6か月,6時間,24か月の3種類の実験から見出せた。3)無垢板と合板,和紙・洋紙と合成樹脂紙,畳のわら床とスタイロ床,等の伝統的な材料と類似する新建材との比較では,後者は調湿性能を持たないか,劣ることがわかった。4)木は,四季の変化における湿度環境の変化の中では,素材の体積要素が表面積要素より調湿に効果をあげていた。