抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究の目的は,中核技術を持たない企業がどの様にして競争上有利な立場を獲得できるのかを調べることにある。多くの研究者がコアコンピタンスを持つ企業が有利な立場を獲得すると主張する中で,最近になって,中核技術を持たない企業の成功例を多く見る。そこで,コンパクトなデジタルスチールカメラ分野のカシオを例に取り挙げ,成功の論理を研究する。結果として,中核技術のない企業には,経済的な利点と組織的な利点があることが分かった。経済的な利点は,固執すべき技術を持たないことから,先進的なもの或いは安い部品を外部の部品メーカーから調達できること,また状況変化に応じて,早くて安いコストで代替手段を選ぶことができることである。組織的な利点は,中核技術に関わる組織的慣性や認識的抑制からの制約を受けないため,製品コンセプトや使用技術について自由なことである。他に追従することなく,斬新なコンセプトで製品を生み出すことことができる。今後の検討課題としては,中核技術を持つ企業の論理と持たない企業の論理の比較が挙げられる。