抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
2006年5月2日早朝,神奈川県湯河原沖1kmの定置網に雌のメガマウスザメMegachasma pelagiosが入網した。同月4日,同個体の死亡を確認後,陸揚げして三浦市の冷凍施設に搬送(陸送所要時間;4時間)して体重を計測(体重:1,105.3kg)後,冷凍保存(-30°C)した。同年9月25日,京急油壺マリンパークの海水プール(直径7m,水深1.5m)に移送,同プールに静置して海水中での解凍を開始した。翌26日はプールを落水して個体の各種外形計測を行った(全長;5,688mm)。27日は腹部を上にして開腹し,体内臓器の摘出と計測を実施して保存液(10%フォルマリン)に収容した。その後,乾燥標本に復するため,剥製製作所へ搬送した。剥製製作の工程で,体躯を構成する骨格を摘出して計測後,10%フォルマリンに液漬保存した。展示場は,水族館内の1・2階吹き抜け空間を利用した。全身標本は1階床面に固定した1本柱によって空間中央部に前傾姿勢で保持された(標本最下部は床面より170cm)。その直下に並位した内照式展示台には,解剖に付した各種臓器・器官の10%フォルマリン液漬標本(口蓋方形軟骨,メッケル軟骨および基舌軟骨は樹脂による複製)を配置した。これら展示物に解説を施して,2007年4月19日に公開展示を開始した。本個体は世界で37番目,わが国では10番目の記録となる。わが国の出現記録(2007年12月31日現在で12個体)を概観すると,本種は春~夏の季に日本沿岸海域に来遊し,その多くが比較的成熟した雌であり,体表には雄による交尾傷がある個体も認められている。なお,解剖所見や計測値の詳細は別途報告する予定である。(著者抄録)