抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本稿では低次元金属酸化物の原子構造を決定する目的で理論及び実験を連携させた研究の最近の進歩についてレビューを行う。低次元系は一般に3次元よりも少ない異常構造を持つ物質に定義される。近年,低次元系は物理学者や化学者の注目が増しており,その関心は近い将来大きくなると期待される。酸化物の薄膜や伸長した鎖状の形状の2次元及び1次元構造は不均一触媒や半導体産業における絶縁層のモデルサポートを含む多数の応用可能性がある。0次元気相酸化物クラスターへの関心は天体物理学から触媒の基礎過程の研究にまで及んでいる。低次元系の物理的,化学的特性を理解するための重要な前提条件はその原子構造の詳細な知識にある。しかし,このような低次元系はしばしば解析が複雑な構造を呈する。二,三の事例でのみ,実験データは可能性の有る原子配置に関する若干の情報を提供するが,データ解釈は大部分が直観に依存している。そのため,近年は量子化学計算が低次元系の構造を同定するための不可欠の手段となっているが,理論的手段の確度にはしばしば限度がある。本稿で行ったレビューの結果は,低次元系の明確な原子構造決定の唯一の方法はしばしば理論計算と組合わせた実験的研究であることを示している。特に,密度汎関数理論と組合わせた遺伝的アルゴリズムのような包括的最適化方法が,観察した表面構造や気相クラスターの自動構造決定に非常に役立つことを証明している。Copyright 2010 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.