抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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中高校生は著作権侵害に中立の立場をとることが指摘されており,そうした状況で知的財産権の保護を目的とする指導を行っても実践力が身につかない。本論文では,前記目的に対する考え方を明確に持たせた上で授業実践を行い,質問紙調査によって授業実施前後の意識の変容を調査した。まず,高校教科情報Aの受講者に対する調査では授業によって正しい理解が促進され,1)中立的な立場をとらせない配慮,2)性差によるモラル意識の違いの考慮,3)法律に違反するかではなく知的財産という文化の保護が生活を豊かにするという認識を授業に盛り込むべきことがわかった。次に,大学入学直後の「情報基礎演習」で同様の調査を行い,大半の項目では理解が促進された一方で著作権や権利の保有者を守るというよりも,法律によって縛られているものとの考え方が見られた。それらの結果から本授業実践は効果があるものの,実践力に繋がっていない面があり,大学生に対する面接による聞き取り調査によって著作権と道徳的規範意識を調べた。その結果,i)知的財産権の保護促進が将来に与える影響の可視化,ii)知的財産の知識理解,iii)道徳的実践力の強化がバランス良く行われる必要性が確かめられた。