抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,鉄道車両内で事故等の列車運行情報を一方向的に伝達する方法として,箇条書きの日本語テキストと短く断片化した手話映像とを同時に提示する,リスト手話と呼ぶ通報提示方法を提案する。リスト手話では,メッセージの日本語部分を箇条書きとし,手話部分は箇条書きテキストに合わせて短く断片化する。プロトタイプによる評価実験の結果,ろう者はリスト手話を高く評価しており,メッセージ読取りの際の理解容易性,緊急時への適合性,安心感について通報の受容性が高いことが明らかとなった。また,被験者の注視特性分析の結果,メッセージを読み取る際のストラテジーとして,主に手話(JSL)から情報を読み取るJSL優勢型,主に日本語テキスト(JT)から情報を読み取るJT優勢型,及び両方から情報を読む中間型に類型化されること,このタイプの中でも特にJSLとJTの見比べを頻繁に行う中間型のろう者がリスト手話を強く支持していることが明らかとなった。これらより,緊急メッセージの提示場面でJSLとJTの見比べが頻繁に発生するような状況では,ろう者が必要とする情報を素早く特定でき,容易に読み進むことのできるリスト手話が有効であることが明らかとなった。(著者抄録)