抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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動物は社会集団で生きることで利益を引き出すが,動物が資源と交尾の機会のために他と争わなければならない点で,社会性にもその代償がある。競争的攻撃に起因する抗争の余波と社会的損害に対処するために,いくつかの集団生活種は様々な平和維持戦略を用いる。和解と定義される旧敵同士の親密な抗争後の再同盟は,主要な平和維持機構である。本研究では,和解が起こる証拠を提供し,抗争後動態の研究においてしばしば軽視されてきた種であるゲラダヒヒ(Theropithecus gelada)におけるこの抗争後機構に関するいくつかの仮説を検証する。融和的な接触は,異なる性別-階級の組合せを越えて一様に分布していた。ヒヒとは異なり,ゲラダヒヒはいかなる特定の種類の親密な和解行動も示さなかった。線形的階層の存在にもかかわらず,優位関係は和解動態に影響を及ぼさなかった。有効関係仮説によれば,連合的支持は融和的な接触が高水準であることの予測因子であると考えられる。最後に,即時レベルの和解は,被害者者よりもより頻繁な融和的な接触を求める攻撃者による攻撃再開の減少において役割を果たす。結論として,ゲラダヒヒの抗争後行動の研究を続ける必要があるとしても,彼らの社会的ネットワークの分断的な性質は,霊長類の抗争解消に関する理論的仮定のいくつかを試験するための良いモデルである。(翻訳著者抄録)