抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,安全調和型社会であることが期待される21世紀の産業保全に向け,安全文化を考慮した産業保安行政の取組みを紹介した。具体的には,1)平成15年に発生した産業事故の背景要因の検討と対応を行うための産業事故対応会議の設置,2)研究会「安全文化の向上を目指す産業保安行政のあり方について」の発足,3)安全工学会への委託による「安全文化を考慮した産業保安のあり方について」の予備的な検討,4)安全工学会への委託による「ヒューマン・ファクターを考慮した事業者の保安力評価に関する調査研究」を実施してきた。特に,4)では事務所などの保安の確保・向上のために保安基盤と安全文化からなる保安力が重要であることを提案し,保安基盤及び安全文化の評価項目・評価指標の検討を行った。また,約80の高圧ガス認定事業所を対象とするアンケート,及び10の事業所へのヒアリングによって保安力の評価試行を試み,保安力評価システムの構築に向けた課題を示した。さらに,社会における安全環境構築の基礎となる安全の基本がより理解される社会環境の実現,及び初等・中等・高等・企業の各段階での効果的な安全教育・啓発体系の構築が必要となることを論じた。