抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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統計に含まれる誤差の評価はほとんどの場合に困難であり,誤差を限りなく小さくすることは物理的に不可能で小さい計数の改定幅の議論は統計上意味をなさない。本論文では,統計学における真値からのずれが確率的に生じることを説明し,1)標本調査での標本誤差,2)標本誤差が理論上0である悉皆調査での概念や把握時点での差から生じる誤差,3)加工統計における基礎統計の誤差や推計に由来する誤差について論じた。特に,1)として主な統計調査で推計されている公表情報を示した。次に,時系列を把握する統計での前期との比較では計数の確率変数,及び季節調整値の前期と当期の比の分散から前期比の標準誤差が十分に小さいことを説明した。一方,GDP(Gross Domestic Product)統計では標本誤差以外の誤差の影響が大きく,基礎統計間の計数の水準が有意に異なるために計数の改訂がなされている。また,高額商品の購入額に関する統計などでは母集団分布の偏りによって歪度が大きくなり,標本平均が真値よりも情報の外れ値として得られる問題を論じた。