抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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コムギ形質転換技術の開発とその利用の現状について解説した。形質転換コムギの作出には,第一に外来遺伝子を植物細胞のゲノム中に組み込み,第二にこの細胞を培養して植物体にまで再生させるという2つの過程がある。第一の過程の遺伝子導入に関して,現在ではパーティクルガン法及びAgrobacterium法が主として用いられており,それらについて解説した。コムギにおける形質転換効率に及ぼす諸要因として,コムギの組織培養特性及び選抜マーカの問題がある。形質転換による重要農業形質の改良として,耐病性の付与は主要な育種目標の一つであるが,特に赤かび病による被害は最も深刻で,形質転換による赤かび病に対する抵抗性素材の作出が盛んに行われている。登熟期間中に起こる穂発芽は種子の品質を劣化させるため,穂発芽耐性コムギの育成も大きな育種目標の一つである。h型チオレドキシン9(Trx h)遺伝子の発現が抑制されると穂発芽が抑制されることが分かっている。