抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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国分寺(35°N,139°E)上空における電離圏観測結果から,ニューラルネットを用いて東京上空の24時間先までの電離圏嵐を含む電離圏変動の実用的な予測モデルを開発した。電離圏遅延量は電離圏電子密度とともに日々変動し,時に電離圏嵐と呼ばれる現象によって大きく変動する。電離圏嵐の発生は太陽活動の極大期にむかって頻発するようになるが,局所的で複雑な現象であり,これまで実用のレベルで電離圏嵐を含む電離圏変動を予測することは難しかった。そこで過去の研究から得られた事実や長年蓄積された観測データを利用して,複雑な現象の特徴抽出が得意である,誤差逆伝播アルゴリズムを用いたニューラルネットワークを構築した。入力には太陽の変動を表す太陽黒点数や太陽フラックス(F
10.7),地磁気活動を表す柿岡K指数を用いた。特にK指数については過去の大きな電離圏嵐の発生前の地磁気変動パターンを解析した結果,電離圏嵐を引き起こす地磁気変動に地方時依存性を見いだした。そこで本研究では,新たにΣ
1K(K指数の12時間分の総和)を定義し,電離圏嵐予測のためにより効果的な入力としたニューラルネットを構成して,約11年の太陽周期2サイクル分(1960-1984)の電離圏観測データを学習した。(著者抄録)