抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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スリットつき共通グラウンドパターンを持つ車載プリント回路基板(PCB)からワイヤハーネスを経由して流出する伝導雑音電流が車載ラジオの妨害源となることはよく知られている。この種のPCBからの雑音電流の流出を抑制するために,筆者らは先に二つの平行な配線とスリット有無の異なるグラウンドパターンを持った簡易的な2層PCBから流出する雑音電流を測定し,グラウンドに配線と平行で端部がオープン状のスリットが伝導雑音電流を低減させることを明らかにした。本稿では,その時のFDTDシミュレーションを用いて,更に配線に平行で,グラウンドに個数と向きが異なりその総面積が同じであるスリットを設けた4種類の簡易2層PCBと配線に平行で異なる間隔幅でグラウンドを2分割した2種類の簡易2層PCBを用いて,平行2配線間のクロストーク低減特性について調べた。その結果,上記6種類のPCBのクロストーク雑音はグラウンドにスリットのないPCBに比べ6.9-8.5dB低減することが分かり,このクロストーク低減の要因はリターングラウンドを含む平行2配線間の相互インダクタンスの低下によるものであろうという知見を得た。また,本事例の場合には各配線のリターングラウンドのサイズが小さい方がPCBからの流出雑音電流が小さいという設計者の常識に反する興味深い結果も得られた。(著者抄録)