抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Hコンドライト母天体の早期熱履歴の再構成は,二つの競合する仮説に焦点がおかれてきた。第一仮説は,乱れのない熱的進化を仮定し,そこでは変成作用の程度が深さと共に増大し,「オニオン・シェル」構造を生じる。第二仮説は,早期の断片化-再集合のイベントを仮定し,これがこの規則的な冷却過程を中断した。ここで筆者らは,以前刊行された多数の閉塞年代および冷却速度のデータを収集し,それらを一連の理想母天体内の熱的進化の数値モデルと比較することによってこれらの仮説を検証する。オニオン・シェル仮説は,これを断熱性のレゴリスを有する半径75~130kmの母天体に適用すると,21個の閉塞年代データのうち20個を,71個の冷却速度データのうち62個を説明できることが分かる。更に,多数のデータ(異なる温度における)が入手可能な8個のいん石のうち6個がオニオン・シェル熱履歴によって説明できる。従って筆者らは,早期熱履歴の間にHコンドライト母天体の破局的な崩壊は全く起きなかったと推論する。オニオン・シェル仮説で説明できない比較的少数のデータは,母天体上に,全ての岩石学的タイプを掘り起こすのには十分大きいものの,母天体を大部分無傷のまま残すのには十分な小さな衝突クレーターの形成を示すのかもしれない。これらの要件を満たす衝突イベントは,おそらく母天体直径の少なくとも30%の過渡的なクレーター直径を生じたであろう。Copyright 2010 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.