抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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残留性有機汚染物(POPs)は非常に変化に富んで広く分布している毒性物質を含む。これらの毒素への暴露は主として食事摂取により生じるが,母親のPOPレベルは,ある一定の社会人口統計学的・環境・生活様式という要因により影響されると推定する。これは,これらの物質が胎児の発育に悪影響を及ぼすことを考慮すると,重大である。本研究の目的は,バレンシア(スペイン)で行われた母子コホート研究に参加した妊娠女性の血液中に測定されたヘキサクロロベンゼン(HCB)・b-ヘキサクロロシクロヘキサン(b-HCH)・1,1,1-トリクロロ-2,2-ビス(4-クロロフェニル)エタン(4,4’-DDT)・1,1-ジクロロ-2,2-ビス(4-クロロフェニル)エチレン(4,4’-DDE)・ポリ塩化ビフェニル(PCB同族体 118,138,153,180)についての社会人口統計学的・環境・生活様式・食事摂取の決定因子を調べることにある。調査母集団は,INMA(幼年時代と環境)コホート(2004-2006年)の一環をなす541人の妊娠女性から構成された。妊娠12週目に採取された血液中のPOPレベルは,電子捕獲検出器を備えたガスクロマトグラフィーの支援により測定した。社会人口統計学的・生活様式・食事摂取の情報はアンケート調査で得た。POPレベルと選ばれた共変動との関連を評価するために多変量トービット回帰モデルを構築した。結果は,全ての女性がこれらの化合物の1つを検出可能レベルで持つ一方で,被験者の43%において全8化合物が検出された。最大数の女性に認めた化合物は4,4’-DDE(100%)とPCBs 153と180(95%)であった。高POPレベルの最重要な決定因子は母親の年齢・出生地・増加した肥満度・前回の妊娠後の母乳育児の週数であった。食事摂取に関しては,4,4’-DDTと4,4’-DDEのレベルは,肉・果物・穀物の摂取量と共に増加した。PCB 153のレベルは海産食品の摂取量と共に増加した。本調査で認めたHCB・b-HCH・4,4’-DDT・4,4’-DDEのレベルは他の調査よりも若干高いが,PCBレベルは類似している。(翻訳著者抄録)