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J-GLOBAL ID:201002275049014947   整理番号:10A0308083

ショウジョウバエTRPA1の解析で明らかになったヒト化学侵害感覚の古い起源

Analysis of Drosophila TRPA1 reveals an ancient origin for human chemical nociception
著者 (7件):
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巻: 464  号: 7288  ページ: 597-600  発行年: 2010年03月25日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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組織を傷害する化学物質の検知,つまり化学侵害感覚は,動物の生存に重要であり,ヒトの疼痛や炎症の原因となるが,その進化的起源はほとんどわかっていない。アリルイソチオシアネート(ワサビの成分)やアクロレイン(タバコの煙の成分)などの反応性求電子物質は,ヒトをツーンとさせたりヒリヒリさせたりする侵害刺激性の化合物である。昆虫からヒトに至るさまざまな動物で,反応性求電子物質は忌避物質となるが,これが太古の感覚モダリティの保存を意味しているかどうかはわからない。今回我々は,ショウジョウバエが反応性求電子物質を検知する分子基盤を明らかにする。ヒトの刺激センサー分子のキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)における相同分子,TRPA1(Transient receptor potential A1)が,反応性求電子物質の摂取を止める味覚化学センサー中で働いていることがわかった。ハエや蚊のTRPA1相同分子は,脊椎動物のTRPA1で保存されている機構を使う,求電子物質の分子センサーである。系統分析によれば,無脊椎動物と脊椎動物のTRPA1は,求電子物質検知に必要な重要な特徴を備えた1つの共通祖先を有する。これらの知見は,左右相称動物であった共通祖先に,TRPA1に基づく求電子物質検知機構が出現し,これが脊椎動物と無脊椎動物それぞれの進化を通じて保存されてきたという考えを支持する。このような保存は,標準的な嗅覚受容体や味覚受容体が進化上で分岐してきたことと対照的で,求電子物質の毒性と関係があるのかもしれない。我々は,ヒトの痛覚は,約5億年の動物進化の歴史を超えて保存されてきた太古の化学センサーに由来すると考える。Copyright Nature Publishing Group 2010
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