抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
マイハギは側小葉を目に見える位の早さで廻す運動をするので,葉が舞いを舞っているようにみえ,かつヌスビトハギに近縁の植物であることから日本名は「舞萩」,中国名は「舞草」と名付けられている。英名は「Telegraph Plant」。「Telegraph」は手旗信号を送る人の様子に見立てたものであろうか。動く植物の一つとしてよく知られていて,観賞あるいは植物生理学の研究用として栽培され,日本や欧米の植物園の温室に植えられている。マイハギ属は以前にはDesmodiumに含められていたが,近年の分類体系ではマイハギ属Codariocalyxとして独立している。本論文ではマイハギ属に関して属名,Codariocalyx gyroidesの著者名,およびマイハギの豆果無毛品の扱いを修正した。マイハギ属の属名Codariocalyx Hasskalはこれまで1842年に発表されたとされてきた(Schindler1924,Ohashi1973)。しかしその前年にこの属名はCodariocalyx Hasskalとして発表されている。これら2つの属名は同じ名前の「正字法上の異形体orthographic variant」(ウィーン規約日本語版)と考えられるので,正しい属名としてCodariocalyxが1841年に発表されたことになった。次に,Codariocalyx gyroidesの著者名は“(Roxb.ex Link)Hasskal”とされてきたが,Zhu&al.(2007)はこの組み合わせは無効であるとしてC.gyroides(Roxb.ex Link)X.Y.Zhuに訂正した。しかし,Schindler(1928)の組み合わせが正式発表と認められるので,その著者名は“(Roxb.ex Link)Hasskal ex Schindl.”となることを明らかにした。最後に,マイハギCodariocalyx motorius(Houtt.)H.Ohashiの豆果無毛品は有毛型と間で毛の密度が連続的に変異するため,有毛型から区別できないので,最近記載された無毛型の学名を異名とした。本種の分布域の中で,他の地域とは違ってネパールには無毛あるいはほとんど無毛の豆果をもつ形が多いのは注意を引くが,ここでも豆果の変異は連続する。(著者抄録)