抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,有色性駆動源に対応可能なカルマンフィルタに基づく高性能な劣化画像復元手法を提案する。提案手法は,(i)原画像からなる状態方程式,および(ii)原画像とぼけと雑音からなる観測方程式で構成される状態空間モデルにカルマンフィルタ理論を用いることで劣化画像を復元する手法である。提案手法の特徴は,(1)自己回帰(Auto Regressive:AR)システムを用いずに状態空間モデルカルマンフィルタのみで劣化画像復元を行うことにより従来手法の問題であったAR次数の決定やAR係数推定精度が劣化画像復元に影響を与えないこと,さらに(2)従来のカルマンフィルタで必要であったARシステムのコンセプトを用いないことから少ない演算量で劣化画像復元が可能なことである。また一般にカルマンフィルタを用いた手法では,駆動源が白色でかつ状態量と無相関という条件の下で状態空間モデルにカルマンフィルタ理論を適用しているのに対して,提案手法の状態空間モデルは有色性駆動源(原画像)を含んでいる。このことに対しては,提案手法の状態空間モデルの構造的性質により,有色性駆動源に対してもカルマンフィルタ理論を適用可能なことを著者らは論理的に証明することで明らかにしている。本論文では計算機シミュレーションを用いて提案手法の有効性を確認している。(著者抄録)