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J-GLOBAL ID:201002278106589284   整理番号:10A0884298

自然に学ぶ -山陽新幹線の500系電車の開発経験から-

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資料名:
巻: 53  号:ページ: 35411-35414  発行年: 2010年09月01日 
JST資料番号: S0079A  ISSN: 0447-2322  CODEN: JRENA  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 解説  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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新幹線高速走行の最大の課題は,一に安全,次いで,世界一厳しい新幹線騒音環境基準をクリアーすることである。新幹線騒音の音源は時速200キロを超える高速域では,列車速度の6乗に比例する空力音が主体となる。そして,電気車では空力音の発生源の中心は集電系のパンタグラフで,速度の7~8乗に比例する。そこで在来型パンタグラフでは低騒音化に限界があるとして,鳥の翼を参考に翼型パンタグラフの開発に着手した。平成2年5月,日本野鳥の会大阪支部の例会で,当時航空機の元設計技術者で野鳥の会会員でもあった故矢島誠一氏から,フクロウの仲間が鳥の中で一番静かに飛がと初めて教わった。ノネズミ等を捕らえるのに,極めて静かに飛びながら獲物に近づくために,自然が与えた知恵なのである。フクロウが低騒音飛行できる秘密の一つは翼の羽根にあり,初列風切羽の外縁部に普通の鳥にはない小さな刺のような羽根が多数突き出ている。肉眼でも確認できるこの鋸歯状の羽毛(セレーション)が,空気の流れに小さな渦を生じさせる。空力音は,空気の流れの中にできる渦により発生する音で,この渦が大きいほど,音は大きくなるようである。そこで,ごく小さなのこぎりの歯のような突起を多数,わざわざ翼につけると,大きな渦の代わりに小さな渦が発生する。すると空気抵抗も減り,空力音も小さくなり得るようである。小さな渦が大きな渦の発生を防ぐのである。これがフクロウの羽根による低騒音飛行の有力な理論的説明である。そこで,大阪天王寺動物園でフクロウの剥製を借りて,風洞試験も実施した。そして,4年もかかって世界で初めて翼型パンタグラフを試作し,時速320キロの試験走行に成功した。この翼型パンタグラフは,普通の在来型パンタグラフより数段静かである。ところが,さらに翼型パンタグラフの支柱部から音が出ていることが風洞試験で確かめられた。その支柱部の低騒音化にもフクロウのセレーションの原理が使われ,更なる低騒音化に成功した。そのほか,カワセミの水中飛び込みと新幹線電車のトンネル微気圧波低減との関係についても自然に学んだ経緯を述べた。
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鉄道騒音・振動 
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