抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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天気図理解は,1)天気図上の図形や記号から情報を読み取る基礎過程,2)前記情報に基づき将来の予測を行う推論過程からなる。本論文では,気象学的知識が低い大学生を対象に1)に関わる諸要因を検討したAllenらの研究を踏まえ,同様の方法を用いて2)に関わる諸要因を含めた検討を行った。まず,被験者として一般的な大学生である気象学の初学者群,及び気象学に関する高度な知識を持つ専門家群として気象予報士を対象とした。次に,気象学事前知識テスト,地理学事前知識テスト,i)閉合柔軟性,ii)閉合速度,iii)視覚記憶,iv)空間走査といった視空間能力テスト,及び天気図理解度テストを行って各テストの正答率を分散分析した。その結果,気象学事前知識と天気図理解度で有意な群の主効果が認められたので,各テスト間の相互相関及び重回帰分析を行ったところ,全体では気象学の事前知識が天気図理解度を31~46%程度説明することがわかった。特に,天気図理解度テストの応用得点は気象学事前知識とi)によって58%を説明できた。一方,専門家群のみによる天気図理解課題の得点はどの変数でも説明できず,初心者群のみではii)が14~16%程度の説明率を示した。