抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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豊富な埋蔵量の石炭の最大の欠点は,燃焼時に多量のCO
2を発生することで,単位エネルギー当たりのCO
2排出量はどの燃料よりも多く,現在,石油に次ぐ第2位のCO
2発生源である。石炭発電のCO
2を削減する方向性の1つは石炭以外の発電源に切り換えることで,2つ目は技術革新により石炭発電プロセスを低CO
2化することである。低CO
2化の1つは燃焼効率向上によりCO
2を減らすもので,もう1つは燃焼で生じるCO
2を大気中に放出しないようにするものである。前者の代表例が,石炭ガス化複合発電(IGCC)で,従来より排出を約20%削減でき,石油火力と同等になるが,経済性や運用面が向上して主力となるにはもう少し時間がかかる。後者としては,燃焼ガスからCO
2を取り除く,CO
2回収・貯留(CCS)技術が挙げられるが,現状ではCO
21t当たりコストが80~100ドルと極めて高く,商業的には大幅な低コスト化が必要となる。長期的には,これらの先進的技術がCO
2削減の成否を握っていることは間違いない。IGCCを含む火力発電の高効率化については,日本企業は世界でトップレベルの技術を有し,今後低コスト化に成功して海外展開できれば,世界のCO
2削減ニーズに起因する大きなビジネスチャンスを得ることは可能である。