抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
音について学習する前の小学5年生,文系大学生,理工系大学生の音の理解について調査・比較した。小学5年生70人,大学文系学生25人(平均年齢20.2歳),大学理工系学生28人(平均年齢22.4歳)が調査に参加した。音のsubstantiality(実体)とweight(重さ)のそれぞれの性質に2質問を作成した。参加者は,音に関連する物理的現象が日常的,実験的,仮定的な文脈で示された各質問に,答えを択一選択式で選び,選んだ理由を記述するよう求められた。分析には,参加者の記述を主に用いた。小学生は,質問における状況が変わっても音の実体と重さを一貫して考えていた。多くの大学生は,音の実体と重さを状況に応じて考えを変えていた。大学生は小学生と比較していくぶん正しく音を理解していたが,完全な科学的観点を持っていなかった。理工系大学生は,小学生や文系大学生と比較して,どの状況でも音の重さを考えることは少なかった。音の実体の性質は,より科学的な理解が進むにつれて,音の性質から排除された。しかし,音の重さの性質については,科学的知識への接触の効果はより限定的であった。